エッセイ

エッセイ

「天国へのキップ」

幼稚園に通い始めた弟が、姉に質問していました。「カブトムシの幼虫はどこにいるの?」
小学一年の姉は真顔で答えました。「お店にいるんだよ。」このやり取りを聞いていておかしいやら、悲しいやら何だか複雑な気持ちになりました。
今の子供たちはお店に行けば何でも売っている、お金があれば何でも手に入る、と勘違いしているようです。お金があれば欲しい物を、欲しい時に好きなだけ手に入れることのできる便利な時代になったのとは裏腹に、心の中は貧しくなってはいないでしょうか。
 物質的に豊かになることが、心を満たす方法であるかのように考えてしまいがちですが、決してそうではないことは、時代を振り返って見ればわかります。日本でも戦後しばらくは食べ物も着るものにも乏しい時代がありましたが、人の心も貧しかったかというとそうではなかったはずです。お金があれば99%のものは手に入る、と言っている人もいるようですが、たとえそうであったとしても、とても大切なものはお金で買えないのです。
 私は娘に「お店に売っていないものは何?」と聞いてみました。娘はしばらく考えてから「天国のキップ」と答えました。小さいときから日曜学校で教えてもらっているので、そう答えたのだと思います。もし、天国のキップというものがあったとしたら、それこそどこにも売られていない、最も高額なそして最も必要なもののはずです。
 聖書の中にはどうしたら天国にいけるかが、はっきり書かれています。これは買うことのできるものではなく、また善行を積むことでもありません。天国に入るための絶対条件はただ一つ、一点の罪もないということなのですが、私たちには不可能です。そんな私たちのためにイエス・キリストはあなたの罪の身代わりとなって、十字架の上で死んでくださり、罪の問題を解決してくださいました。このお方をあなたの救い主として信じるなら罪がゆるされ、天国へのキップを手にすることができるのです。