エッセイ

エッセイ

やればできる、やらなきゃできない、やってもできない

若い頃、自分の可能性に小さな夢を膨らませた経験はありませんか。
体の成長とともに精神面においても、外からの様々な刺激をうけて強くなっていく、そんな自分を見て「どこまでも伸びていけるだろう。」と錯覚したことはないですか。
誰もがいろいろな可能性をひめていると思いますが、その可能性も何もせずして開花するほど甘くない、と年を重ねながら教えられていくものです。
 ある時、親しくしていた学生さんが家に遊びに来て、社会に出てからの夢を語ってくれました。彼が熱意をもって語る、素敵な将来展望を聞かせてもらった後で、3つの言葉をアドバイスしました。「人生は『やればできる』『やらなきゃできない』『やってもできない』この3つです。」と。彼と2人で大笑いしましたが、これは事実です。
 人は成長していくものですが、できることには限りがあります。たとえ努力してもできないことはたくさんあります。私たちの「救い」もそのとおりです。
聖書には「たましいの贖い代は高価であり、永遠にあきらめなくてはならない」
と書かれています。
 人類の歴史の中で、救いを自分の努力で手にしたものは一人もいないことは、聖書を読むとあきらかです。しかしその聖書の中に、救いは神の恵みによって与えられることが示されています。私たちは努力して得たものこそ、価値のあるものと考えがちですが、救いについていえば「やってもできない」ことの最たるものです。どうか自分の力に頼らず、神様に救いを求めてください。